放課後等児童デイサービスってご存知ですか?
はじめは障がいを持つ子どもの保護者の方々が、放課後の子どもたちの育児、介護によって勤務時間などが制限され、生活が不自由となるなどの相談を受け、身近な地域の医療福祉機関やボランティア団体によって立ち上げられました。
現在では、家に閉じこもりがちな障がいのある子どもたちの放課後保障とその家族を支援する目的として設立され、全国の各自治体が児童発達支援事業の一貫とし様々な形で展開しながら、その活動は広がっています。
「子どもたちに絵画を教えてくれませんか?」
きっかけは、放課後等児童デイを運営する所長さんからの声かけでした。
私は当時、主人の転勤で東北大震災の爪痕が未だ深く残る宮城県仙台市に引っ越し、復旧に向け何かお手伝いできることがないかと、福祉施設や児童館のスタッフ求人を探していました。
そこで声をかけてくれた事業団体が「放課後等児童デイサービス」と呼ばれるものだったのです。
「“障がいを持っている”という先入観なく、普通の子どもに絵を教える感覚でお願いします。」という所長さんの希望から、私はどの子どもが、どんな障がいを持っているか、一切の個人情報は知らないまま「こころ絵あそび教室」の活動をはじめました。はじめは戸惑いもありましたが、子どもたちと触れ合い「絵を描く」「ものを作る」というあそびのなかで、子どもたちの純粋な創造力に多くのことを気づかされ、心の発達に障がいはないことを確信しました。
子どもがいない私にとって、いま現在の学校教育現場や障がい児童の現状などまったく把握できていませんでした。絵あそび教室の活動をすることではじめて「放課後児童デイサービス」という存在を知り、同時に障がいを持つ子どもの家族たちの困難を知らされ衝撃を受けました。
障がいがあることで学校では特別学級という区分に分けられます。以前から親が共働きの児童は放課後になると親の勤務時間終了まで放課後学級や児童館など居場所が設けてありましたが、特別学級の子どもたちは医療的な看護を伴うことがあるため保護者の送迎が必要となり、それによって家族の時間も制限されます。
放課後等児童デイサービスがあることで、家に閉じこもりがちな障がいのある子どもたちの放課後を充実させるとともに、その家族の有効的な時間を広げることが可能となります。
子どもを安心して預けていられる場所、環境があれば、その家族もまた時間の充実がとることができ、精神的にも豊かになれるのではないしょうか。そして、親が笑顔であれば自然に子どもも笑顔になれます。
「こころ絵あそび教室」と「はんどめいど よろず.ya」の活動を通して、こうした現状をより多くの方々に知ってもらい、子どもたちとその家族のこころの平和を支援していきます。